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【読書レビュー】『紙の動物園』ケン・リュウ

・紙の動物園

ジャックはアメリカ人の父と中国人の母との間に生まれた子供だった。子供の頃、ジャックが泣き止まないとき母はいつも包装紙でいろいろな動物を折ってくれた。だがジャックは成長するにつれ、アメリカに馴染めないでいる中国人の母をだんだん厭うようになり、その折り紙すら蓋をしてしまい込んでしまうようになる。そして、父と母との馴れ初めを知ってますます嫌悪感と無関心がジャックの中に広がっていく。 しかしジャックは彼女の死後、彼女の生い立ちを折り紙の虎から教えられ、彼女の折り紙に魔法が宿っていることを知ることになる。

魔法。つまり愛。

私の好きな言葉の一つに「愛がなければ視えない」というのがあります。例えば、ある人に対して敵意を持って見ればその人は極悪人のように映るかもしれない。しかし、愛情や真心を持って見ればその人に対してなんらかの共感や理解が芽生えるかもしれない。ジャックは母の死後、それをやっと理解したのだと思います。

繊細で優しい短編でした。


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